「ただいま〜」
部屋のドアを開ける。
23時。こんな時間だというのに、8月の暑さは容赦ない。
汗だくのシャツを脱ぎ…びびび!
おっと?
「なんだ、またアブラゼミか」
虫の羽音。我が家では、セミが入りこむのは日常茶飯事である。
ついこの前も、いつの間にか背中にへばりついたセミと一緒に帰宅するという珍事件があった。
「どれどれ…しょうがないな、逃がさないと」
茶色く乾いた羽音のしたほうへと顔を向ける。
!!!
…このあと、アブラゼミと見間違えるほどのサイズの"コードネーム:G"に対して、私が緑色の愛銃を乱射したことは言うまでもない。